コロナ禍の昨年、私たち夫婦は、夫が食道癌になったことで、
今までにない体験を強いられました。2回にわたる抗がん剤治療、
7月~8月には、食道手術で胃の一部を切り取って食道へもって
いくという大手術を受けて、病院の入退院を繰り返しておりました。
先の予測も分からないまま、一日一日を一生懸命生きてきました。
体重が10㎏以上も痩せてしまい、抗がん剤の副作用、さらに手術に
よって食道、胃の変形で食物が通りにくかったり、一度に食べること
が難しく、胃液が上がってきて、思うように食べこなせない状態が
続きました。夫が悔しがって必死に食べることを続けていく中で、
自分なりの食べ方のパターンを身につけていくことができ、
私も、毎回の食事内容を記録して、大まかに栄養量が足りないところ
栄養剤や、プリン、ヨーグルトなどで補うことを続けました。
始めは、毎食のように栄養剤を組合せて栄養量を増やすこと
食べる量に注意しながら、全量摂取を毎日毎日心がけていきました。
食道、胃に良いものをと必死で、食事作り、おやつの工夫をして
来ました。術後3か月くらいまでは日々が食べる事でした。
その後は落ち着いてきて、健康時の食事パターンでも夫は完食でき
私も深く考えずに、ストレスなく、美味しいと思えるもの、
いつも食べていた旬のものを作るようにしました。
夫も犬の散歩で近所の人から、“元気になったね❣”
と驚かれるくらい。声も力強くなり本人が一番喜んでいました。
振りかえると苦しかったという思いより、元気になれてよかったと思います。
この1年を私の起業のスタートにもっていくきっかけとなったことに今は感謝。
コロナ禍でこそ、真摯に向き合えたと思っています。今を大切に生きること。
私たち二人の人生行脚。これからも続いていきます。しっかりと前を向いて寄り添って
生きていこうと思います。